スリランカで一番有名な世界遺産といえばシーギリヤロック!
天空の城ラピュタのように天上に広がるかつての栄耀栄華の風景はまさに絶景。
これから初めてシーギリヤロックを訪れる皆さんへ、高所恐怖症の私の実体験を交えながら見どころをお伝えします。
天空に浮かぶ狂気の王様が築いた王宮
シーギリヤロックとはどんな場所なのか、どうして高さ370mの岩山の上に王宮を築くことになったのかをおさらいしましょう。5世紀、当時のスリランカの王朝には2人の息子がいました。
平民出身の母を持つ兄カッサパは、王族出身の母を持つ弟モッガラーナに次の王の座を奪われてしまうのではと不安になり、父親である王様を殺してクーデターを起こし、長らく首都であったアヌラーダプラてからシーギリヤへと遷都します。
弟は一命を取りとめ南インドに亡命しましたが、兄カッサパはいつか弟が復讐しにくるだろうと不安と妄想にかられ高い岩山の上に王宮や街を造り引きこもってしまったのでした。
そんな中、ついに弟が亡命先の南インドから軍隊を引き連れシーギリヤに攻め込みます。戦い敗れたカッサパ王は喉を掻き切り自害。その後シーギリヤロックはその存在すら忘れられていましたが、建設から1400年の1875年に、イギリス人によって発見されたのです。
今から1400年前の昔にどうやってあんなに高い岩山に王宮を作ることができたのか
なんともロマンを感じる壮大な場所なのです。
シーギリヤロックに登るなら朝一番か夕方に
みて、この犬の表情。日陰から一歩も動かへんからな!って言ってるみたいでしょう。
シーギリヤは年間通して平均気温が29度前後。日中は30度を超えることが多く日陰もありません。真昼間に登ると暑すぎて死にます、ほんとに。
というわけで、シーギリヤロックに登るなら朝一番か夕方がおすすめ。
私は中途半端な14時くらいに登ってしまい途中かなりへこたれました。
まずは入場チケットをゲット
シーギリヤロックに登るには、まずチケットを購入しましょう。入場料がこちら
大人一人30ドル(日本円で3300円ほど)!これを高いとみるか相場と見るか。
ちなみにこれは外国人価格であり、スリランカ人やレジデンスビザを持っている外国人は50ルピーほどで入れます。2016年夏と2017年冬の2回登りましたが、微妙に値段が違う…。じわじわと値段が上がっているので、次に行くときにはさらに高くなっている可能性も。カンボジアのアンコールワット遺跡群も去年値上げされていたし、世界遺産は維持するのにお金がかかるのかもしれません。
シーギリヤミュージアムで予習してからいざ出発
チケット売り場はシーギリヤミュージアムの一角にあります。シーギリアロックの復元模型や発掘された出土品が展示されています。昔ながらのスリランカの暮らしを体験できるコーナーも。動物を取るために仕掛けていたワナなんかをおじさんが一生懸命説明してくれます。説明を聞いたらチップを求められますのであしからず。このミュージアムを一通り楽しんで、トイレを済ませたらいざシーギリアロックへ出発です。
ふもとに広がる王様のプールを抜けて
チケット売り場からシーギリアロックまでは一本道。人の流れが出来ているのですぐ分かります。
両サイドにはかつての王様が造ったというプールが。当時は噴水のように水が噴き出ていたそうで、日本でいうと古墳や埴輪の時代にこれだけの文明があったことが驚きです。
ちなみにこの道を歩いていると、沢山のスリランカのおじさんに声をかけられます。
英語もシンハラ語も分からない私は「やっぱりスリランカの人たちはフレンドリーだなー」なんてニコニコしてたけど、たいていの人は自称ガイド。のちほどお金を要求してくる場合もあるのでお気をつけあれ。ほんとに親切なだけの人もいるから見極めが難しいんですけど。
いざ、頂上へ
いよいよ高さ200メートルのシーギリヤロックを登ります。その途中で様々な名所が。■シギリヤレディ
山の中腹にある壁画。殺してしまった父の魂を弔うためにカッサパ王が書かせたといわれる。
現在は撮影禁止となっているシーギリヤレディ。ここにたどり着くために螺旋階段をあがるのですがこれが岩山から飛び出るように足場が組まれていて、足がすくむ…。高所恐怖症の私はゆっくりシーギリアレディを眺めることも出来ず、ただただ無言で遠くを見てました。よって、このあたりから写真がほどんと撮れてません…。
■ミラーウォール
シーギリアレディを抜けたところにある壁には卵白が練りこまれていて、当時は鏡のように光るまで磨かれていたそうです。現在は残念ながらこころない観光客のイニシャルやらハートマークやらが削られていて見る影もなし…。触れないようにロープが張られてます。
当時はこの鏡の壁にシーギリヤレディたちが写っていたらしい。どんだけ父親の霊を慰めたかったか、カッサパ王…。
■ライオンゲート
頂上への階段の入り口は、ライオンが大きな口を開いているようなモチーフになっていたそう。現在はライオンの足だけが残っています。
ここを抜けるといよいよ頂上へ!
気付けば知らないオジサンと手をつないでいた
高所恐怖症の私にとってはここからが本番。岩山からせり出すような鉄の階段はいったい何百年前に設置されたものなのか、錆びて崩れるんじゃないのか、まったく信用できません。スリランカは大好きだけど、この鉄製らしき階段の耐久性と強度を信じることはできない…。
しかも、高度があがるにつれて吹き飛ばされそうなくらいの強風が。
やばい、いよいよ足がすくんで一歩も動かない…。一人で引き返して下で待ってよう…。
本気でそう思ったその時。
しらんオッサンに手をつながれていました…。
言葉がよくわかんないけど、「落ち着いて俺についてこい」と言われているような気がします。
これがいわゆる『つり橋効果』と言うやつなのでしょうか、ただのオッサンなのに頼りがいあって男らしく見える!どうしよう。恋に落ちそう。気が付けば私も手を握り返し、頂上まで仲良く登ってしまいました。
というか、彼がいなければ途中でギブアップしていたでしょう。
苦労して登ったシーギリヤロックの頂上からの景色にただただ息をのむ私。
ふと振り返ると、さっきのオッサンが熱い視線を送ってくる。
「ありがとう、ボホマストゥーティー!」と感謝の気持ちを伝えてもその熱視線は変わらない。
あれ、このおじさんも私のこと好きになっちゃったのかな?
すっかり両想いになったことに浮かれていると、ツアーガイドさんが「チップ渡してください」と一言。
なんとーーーーー。
そうか、そういうことね。
って、ガイドのあなたは私が恐怖のさなかにいた時、いったいどこへ?
そんなわけで、500ルピーを渡して私の恋は終わったのでした。
見ごたえ十分なシーギリヤロック。高所恐怖症の方でも何とかなります。
助けてくれる人が大勢いるので諦らめずに登り切りましょう。
万一、本物の恋に発展しても自己責任でお願いします。
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